この記事について お坊さんの話が好きですか? 「ありがたいはなし大好き!」って方は読まないほうがいいかも……。 逆にお坊さんの話は何か大事なことをはぐらかされてる気が…… という方にはこの記事を読んだ後下に紹介している記事を読んでもらったら嬉しいです。 |
お約束
突然ですが、遅刻しないように朝食のパンを加えて走っている女子学生が、
路地の角を曲がったら何が起こると思いますか?
そうです。同じクラスのイケメン男子とぶつかります。
別の質問をします。
映画で「この戦争が終わったらアイツと結婚するんだ」と誓っている戦士はどうなると思いますか?
そうです。死にます。
なぜこれらの質問の答えがわかるのでしょうか?
それはいわゆる
「お約束」だからです。
これらはフィクションの世界だけではありません。
たとえば、歌舞伎でバタバタバターと音がして、役者さんが手を開いて首を回し始めたら、何をするでしょう?
そうです。観客をにらみます(見得『みえ』)。
これから何が起こるかわかってるのに、お客さんは別にがっかりしません。
落語でも、オチをしっている話を聞いても、別に「つまらないな」とは思わないでしょう。
むしろ、話をしってからが面白い、ということがあります。
今では伝統芸能として扱われますが、これも「お約束」です。
仏教のお約束
実はこれ仏教にもあるんです。
というか、ほとんどそうです。
法事とかでお坊さんが話す法話ってなんか似通ってるなーって思ったことありませんか?
ほんの一例を見てみましょう。
笑顔で優しい言葉を相手にかけてみませんか。
あなたのその笑顔と一言で相手は心が明るくなり、幸せを感じることができます。
幸せはまわりに広がります。
あなたが誰かを幸せにすれば、その人はまた誰かを幸せにします。
そして、幸せを感じた人はまた次の人を・・・・・・
というように、あなたが始めた「幸せのおすそ分け」はいずれあなたのもとに返ってきます。
分け隔てなく、優しくすることで、あなたもまわりも幸せになります。
すべては「ご縁」によってつながっています。
身近なところからやってみませんか?
ええ。本当に素晴らしいお話でした。ありがとうございました。
おそらく、仏教に興味をもつ人も、伝統芸能に「お約束」を求めるように仏教にも「お約束」を求めるでしょう。
そして帰るころには心が「フッ」と軽くなることを期待しているのでしょう。
だがっ!!! しかしっっっ!!!
断言しよう!!!
こんな話を聞いただけでは、少しやってみようかな、と思っただけでは、
わ た し た ち は
何 も か わ ら な い
話をきいて後、家に帰るころ、早ければ3秒後、
もう頭は別のことを考え始め、「ありがたい法話」のことなど忘れ、今晩のおかずのことを考えている。
話を聞いたあと、すこし心が「フッ」となったからいいじゃないか、という人もいるでしょう。
確かに、それも一理あります。
ただ、個人的には少しもったいないと思ってしまいます。
仏教はその人の世界観を変えてしまうくらいのポテンシャルを持っています。
お釈迦さんも、王子という地位、名誉、挙句の果てには妻子まで捨てて、修行しました。
全人類がお釈迦さんのようにしろ、とは全く思いませんが、
みんなが思っているような「お約束」の伝統芸能に終わってほしくない、という気持ちもあります。
めちゃめちゃよく斬れる日本刀で
野菜を切っている
ような状況は、単純にもったいないと思います。
使い方
ただ、よく斬れる分だけ使い方には気を付けなければなりません。
使い方を誤れば、他人にも自分にも良くありません。
今のあなたが、「毒も薬も必要ない」と思うのなら日本刀で野菜を切り続けましょう。
しかし、あなたが「毒になるか薬になるかわからないが、どうしても薬が必要」と考えるのであれば、
「お約束」だけではない仏教を学んでみてもいいかもしれません。
仏教に触れる際には、今の自分が何を求めているかよくよく考えて接することが大事だと思います。
まとめ
- 「お約束」に回収されない仏教もあるよ!
- 自分が何を欲しているか、考えてみよう!
“お約束”の仏教ワード「ありのまま」について本気でお話しした記事はこちら(↓)
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