仏教を逆輸入する⑧:仏教とドラッグ 1/4


この記事について
「仏教を逆輸入する」は海外で有名な仏教サイトから許可を得て

優れた記事を日本語に要約してご紹介する企画です。

日本文化としての仏教に慣れ親しんだ日本人にとって

時には新鮮な発見もあるかもしれません。

本寝坊主

「仏教とドラッグ」

日本ではあまり馴染みがないかもしれません。

「お寺に行って坐禅しようとしたら、ドラッグをすすめられた」

なんて話もききませんよね。

 

しかし、日本でも仏教とドラッグを結び付けた集団がいました。

「オウム真理教」です。

 

彼らはドラッグを使い、瞑想の中で超常現象を起こさせ、信者をマインドコントロールにかけた、と言われています。

 

 

仏教とドラッグ、この2つはアメリカで、仏教が受け入れられた時からある根深い関係です。

 

仏教の瞑想と通常の意識を超えた体験は人々を引きつけるものでした。

 

ヒッピー文化の凋落とともに一時期を境に影を潜めていた関係ですが、

近年、急速にサイケデリックス(ドラッグ)が仏教の実践の中に入り始めたそうです。

 

もちろん、サイケデリックスを勧めることを目的とした記事ではなく、

サイケデリックスを仏教修行に使用する研究を大々的に行うほどに、

「アメリカでは様々な形で熱心に仏教文化が形作られている」

ことをご紹介する意味ですので、ご注意ください。

 

4回に分けて、仏教とサイケデリックス(ドラッグ)に焦点を当ててみていきます。

 

第1回はサイケデリックス(ドラッグ)がアメリカ社会にどう根付いているか、を中心に見ていきます。

 

まとめがわかりやすくなっております!

仏教とドラッグまとめ-アメリカ仏教事情

2018年9月11日

 

元記事はこちら(英語サイトです)
Lion’s Roar 「The New Wave of Psychedelics in Buddhist Practice」 BY MATTEO PISTONO

 

 

仏教におけるサイケデリックの新しい波

 

Matteo Pistonoによれば、仏教指導者の中には、個人の実践にサイケデリックスを活かすだけでなく、指導者自身の教えの一部となっている者もいるのだそうです。

 

参加した瞑想のリトリートの最初の夜、Spring Washamは5つの倫理的戒(五戒)を説明しました。

  1. 不殺生(殺さない)
  2. 不偸盗(盗まない)
  3. 不邪淫(不道徳な性行為をしない)
  4. 不妄語(嘘をつかない)
  5. 不飲酒(中毒になるようなものを摂取しない)

次の2週間で、Spirit Rock Teachers CouncilのメンバーであるWashamは、瞑想、慈悲と思いやりの実践、その他の基礎的な仏教の教義を教えました。

そして彼女の指導とペルーのヒーラーの指示の下、2週間のうち8日間、20名のグループがアヤワスカ(幻覚剤)を飲みます。その後、グループは次の5時間から8時間の間、アヤワスカの影響を受けて瞑想します。

本寝坊主
アヤワスカとはアマゾン北西部で伝統的に用いられている幻覚剤。

アメリカでは禁止されているので、ペルーでやるしかないらしいです。

 

ものすごい幻覚をみる作用をもったもので、ここでは、瞑想のリトリート(合宿)で用いられています。

 

なぜ彼らは仏教の瞑想とドラッグを組み合わせようと思ったのでしょうか。

 

現在アメリカでは、全米中から仏教の実践者たちが集まり、意識変容させる物質の実験を行い、仏教の実践の文脈で意識変容させる物質について論じています。

例えば、InsightLAと仏教マニアたちは、「サイケデリックスで目覚める」という企画を共同開催しました。

InsightLAの創設者であるTruy Goodman、UCLA医科大学の仏教マニアであるVincent Horn、Washam、Charles Grob博士(精神医学・小児科教授)は、「アメリカにおけるサイケデリックスと仏教の実践との関係」について議論しました。

 

サイケデリックスは、仏教の実践に非常に有効であることがわかっています。それは1960年代から今日まで続いている。」

とInsightLAのエグゼクティブディレクター、Mark Koberg氏はいいます。

 

このサイケデリックスへの関心は、2002年に開始された医学研究の波の一部に起因する、サイケデリックスの潜在的有用性の認知の高まりと一致します。

Michael Pollanの最近の著書『How to Change Your Mind: What the New Science of Psychedelics Teaches Us About Consciousness』(あなたの心を変える方法:サイケデリックスが教える意識、死、中毒、うつ病、超越の新しい科学)で彼は、サイケデリックス療法がまもなく「薬理学と心理療法の新しいハイブリッドの形で日常的に広く利用できる」と信じている多くの研究者、医師、セラピストがいることを示しています。

 

確かに、医療界はサイケデリックスの治療能力を長い間認識してきましたが、最近では、1971年に禁止された後、臨床試験を再開することが合法的に許可されています。

 

実際、ニューヨーク大学ジョンズホプキンス大学医学部の複数の専門分野のチーム・UCLAメディカルセンター・ニューメキシコ大学、ロンドンのインペリアルカレッジ・チューリッヒ大学では、シロシビン(マジックマッシュルームで発見された)、MDMA(エクスタシー)、LSDなどのサイケデリックスが、アルコールおよびニコチン中毒、強迫性行動、癌、うつ病、不安、PTSDに良い効果があると報告しています。

 

2016年に、US Federal Drug Administration(米国連邦医薬品局)は、MDMAおよびシロシビンの第III相臨床試験を承認しました。 Pollanによれば、どちらの物質も近い将来、違法薬物リストから取り除かれ、医師は患者に処方することができるようになります。

本寝坊主
サイケデリックスとは、日本語ではドラッグのことですが、

 

現在は医療の現場でも役に立つものもある、といわれています。

 

上に挙げた研究のほかにもたくさん行われているそうです。

 

Youthquake(若者たちの声や行動が巻き起こした政治、文化、社会の地殻変動)

 

仏教やサイケデリックスの境界を押し進めているのは、ほとんどの場合、ジェネレーションⅩ世代の指導者とミレニアル世代です。
仏教とサイケデリックとアメリカの関わりを頻繁に書いているErik Davisは、「仏教内でのYouthquakeを目の当たりにしている。この新世代の指導者たちは、仏教徒であることと、サイケデリックスという仏教本来の手段を用いていない”異端者”の意識を共存させている。」と言います。

 

ノースカロライナ州アシュビルのマインドフルネス指導者であり、仏教マニアのウェブサイトとポッドキャストの創始者であるVincent Horn教授は最近、『Meditating on Psychedelics—A Simple Ceremony(サイケデリックス瞑想――簡単な儀式)』という短いガイドブックを書きました。それは、マリファナ、アヤワスカ、シロシビン、ペヨーテ/メスカリン、大麻の大量投与などのサイケデリックな物質を使用した仏教の瞑想に関する本でした。

過去2年間、Hornの人気ポッドキャストシリーズである「Meditating on Psychedelics」は、Roshi Joan Halifax、Johns Hopkins、Roland Griffiths、Washam、Goodmanなどのゲスト共に、サイケデリックス使用による仏教瞑想のメリットと危険性を探ってきました。

意識を変える旅を仏教的視点からナビゲートするための、新しい語り方や受け入れられ方を生み出すのは彼の世代で、Horn一人だけではありません。

 

2つの伝統的なチベット仏教瞑想の3年間リトリートを終えた Lama Karma(Justin Wall)は、アマゾンでのアヤワスカの経験を、密教のイニシエーションの観点からどのように理解できるかを書いています。

そして、昨年、著名な密教の指導者が、 “Dzogchen and Psychedelics(ゾクチェンとサイケデリックス)”をPortland で開催しました。それは向精神薬(精神に影響を与える薬物)が、サダナ(日々の実践)で役割を果たすことができるかどうか、従来の現実を超えたものを見るための灌頂(abhisheka)と同じ特別の価値を持つかどうか、道に沿った”障害”を破壊するもの”なのかどうかを探求したものでした。

 

古い世代の人々も、サイケデリックスを扱う際の新しい世代のスキルと、その治療的利用の進歩を認識しており、発展を記録しています。インサイトメディテーションの指導者であるJack Kornfieldは、昨年Sprit Rock conferenceで『At the Intersection: Psychedelics and the Buddhist Path(サイケデリックスと仏教の交わり)』と題して、西洋の仏教の新世代の指導者たちは「何か革命的なものの最先端にいる」と語った。

 

しかし、コーンフィールド氏は、「自分自身を傷つけず、他の人に害を与えないように、ブッダが提示した論理と共に慎重に行う必要がある」と警告した。

本寝坊主
仏教の実践とドラッグ、というと日本ではオウム真理教の事件が思い出されます。

 

同じように、アメリカではドラッグの使用を適切にコントロールすることで、仏教の実践に役立てようと考えています。

 

Jack Kornfieldは著名な方ですが、その人が「革命的」というように、これからのアメリカ仏教界を大きく動かす新しい波になりそうです。

 

次回は実際にアメリカ仏教界のサイケデリックス(ドラッグ)使用に関してみていきます。

 

次回に続く↓

仏教を逆輸入する⑧:仏教とドラッグ 2/4

2018年9月9日

 

↓まとめがわかりやすくなっております!↓

仏教とドラッグまとめ-アメリカ仏教事情

2018年9月11日








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