弾指ってなに？：指パッチンに見る僧堂修行

今日は「弾指」についてです！

そうなんですけど。

 

あんまり知名度は高くないですが

おもしろいので一度取り上げてみました。

はい。

 

読み方は「たんじ」です。

なんのことかとわかりやすくいうと

 

指パッチン

 

ですね。

最初は全然音出ないんですよね。

 

僧堂ではいろいろな場面で使うから

隠れて練習します。

 

人差し指が筋肉痛になったのは生まれて初めてでした。

はい（笑）

所作や作法を間違えたり

注意を受ける時に主に耳にしますね。

有名ですかそれ？（笑）

 

ちなみにこの「弾指」を「だんし」と読むと

時間の単位でもあります。

「指パッチンくらいの短い時間」

の意味ですね。

僧堂一年生の始めのころは

みんなこの音が鳴った瞬間に

 

極限の緊張が生じます。

合掌しなかったら

 

「合掌しろよ！！」

 

って、さらに怒られますからね。

普通に生活しているときには意識しない音が

このような理由で僧堂では、大変重要なものになるのですが

 

冷静に考えて

 

なんで指パッチンなの？

 

って思いませんか。

おそらくそれも理由の一つでしょうね。

僧堂修行では主な生活をおくる場所で

声を発して誰かとしゃべることができないことになってます。

 

詳しくは僧堂（寝起き、坐禅するところ）、

東司（トイレ）、浴司（おふろ）です。

しかし上記の理由で

指パッチンは、すべての新人僧侶にとって

恐怖の音となります

合掌するかしないか

迷ってる暇なんてないですからね。

 

先輩の恐ろしさと比べれば

恥ずかしさとかないです。

あの音が修行僧にもたらす精神的緊張を考えれば

仕方ありませんね。

 

ふざけちゃダメ。絶対。

はい。

一般には、人に注意をうながしたり

何かの合図になったりします。

そうです。

 

はじめて聞いた時は

なんで？って思いました。

 

場を清める効果があるらしいですが……。

わたしは、あれ単純に排泄するときに

 

注意深くやるための作法だとおもうんですよね。

指パッチンの音って一瞬ですから

それを鳴らすことで

その音が鳴る刹那に気を集中できると思うんです。

 

ただでさえ上記の理由で

この音には敏感になっていますしね。

それです！

 

その今の自分の行為が問われている感覚

が重要だと思います。

 

もちろん、僧堂では常に、そのような意識が必要ですが

人間ですから、なかなか集中は続きません。

それをこの簡単な音で集中させるために

弾指は、とても良い作用をしていると思うんです。

はい。

正法眼蔵の「洗浄」の巻に詳しいですが

道元禅師はトイレの作法に

 

めちゃめちゃうるさい

です。

それだけ排泄行為を大事にしていたということですが

昔の衛生面の理由ももちろんあるので

注意深く排泄をするのが重要だったのでしょう。

つまり

 

集中する×排泄＝キレイ！

 

って意味だと思うんですよね。完全に個人的見解ですが。

あと、道元禅師がなぜトイレにうるさいかは

 

単純に気持ちいいから

 

という可能性もあります。

変な話ですが実際僧堂において

なんの刺激的娯楽もなく日々を過ごすと

ただの排泄行為が上位の快感になりませんか？

それを感じるためには

まず集中して丁寧に行うことが求められますが

その日々の暮らしの何でもない行為が

だんだん重要で大事なものになってゆく

というのは僧堂生活の醍醐味でもある気がするんです。

ホントに関係あるかどうかは分かりませんが…（笑）

そのような機能をうながすためにも

弾指は使われていると言ってもいいかもしれませんね。