禅語録を超訳する!⑤:百丈野狐(ひゃくじょうやこ)


前回はこちら!

 

百丈野狐
ヒャクジョウ和尚が説法すると

いつも一人の老人が修行僧に混じって話を聞いていました。

 

修行僧が帰るときには老人も一緒に帰ります。

 

ある日、老人は一人残っていたのでヒャクジョウ和尚は聞きました。

 

「そこにいるのはいったい誰だ」

 

 

「はい、私は人間ではありません。

 

ブッダもおられなかったずっと昔に、この山に住んでおりました。

その時、弟子の一人が私にこう聞きました。

「修行が完成した人でも、やはり因果の法則に落ちるのでしょうか。」

私は「因果には落ちない。」と答えました。

 

 

おかげで500回生まれ変わる間、野ギツネになりました。

 

いま和尚さまにお願いします。

 

代わりの一言で、この野ギツネの身から抜け出させてください。」

 

そう言って、老人はこう問いました。

 

「修行が完成した人もまた、因果の法則に落ちるのでしょうか!」

 

ヒャクジョウ和尚が答えます。

 

「因果の法則を昧(クラマ)さない。」

 

 

 

老人は聞いた途端に悟りました。

 

 

老人は礼拝をして、

 

「私は既に、野ギツネの体を脱しました。

身体は山の奥においておきます。

お願いですからお坊さんとして葬ってください。」

 

ヒャクジョウ和尚は弟子の一人にみんなを集めさせ、

「食後に亡くなった僧を送るぞ!」と伝えました。

 

 

修行僧たちは、

(みんな健康だし、病気の人もいないのになんでだろう?)と思いました。

 

食後、ヒャクジョウ和尚はみんなを引き連れて、

山の奥深く、岩のくぼみに死んだ野ギツネを見つけ、

杖で引きずり出すと、火葬することにしました。

 

 

ヒャクジョウ和尚はその夜、説法の時にこの話をしました。

 

弟子のひとりのオウバクが質問します。

「昔の人が、間違って答えの一言を言って

500回生まれ変わるまでの野ギツネになった。

その一言が間違っていなければ、では

どのような答えだったらよかったでしょう!」

 

ヒャクジョウ和尚が答えます。

 

「近くに来なさい。あいつのために言ってやろう。」

 

 

 

 

オウバクはヒャクジョウ和尚に近づき、

 

 

 

 

和尚をひっぱたきました。

 

 

 

ひっぱたかれたヒャクジョウは

 

 

 

手をたたいて笑って言いました。

 

 

「ダルマさんのヒゲは赤いと思ったら

 

ここにも赤いヒゲのダルマさんがおったわい!(笑)」

 

むもん

「因果に落ちない」でなんで野ギツネになって

「因果を昧さない」でなんで野ギツネじゃなくなったのか。

もしここのところをしっかりわかる第三の眼を持てば

あの老人も実は500回もの命を風流に生きたのだとわかるぞ。

 

おちない、と、くらまさない

サイコロふったら目がふたつ

くらまさない、と、おちない

何回見ても間違うぞ

むもん

ふざけてると思いますか?ほとんどそのまま訳してます!



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